生産量7倍で、病気に強いカカオの新品種「CCN51」について書かれた記事を見つけました。
The Race to Save the World's Chocolate
エクアドルで栽培されている新しいカカオ品種の「CCN51」
確かに、カカオポッドの数は多く実をつけているように感じます。
カカオ不足にかかわらず、2013年、世界では、チョコレートが約700万トン以上、生産量を上回って消費されています。 そして、チョコレートメーカー各社は、2020年までに、その消費量が、生産量を上回り、不足分が現在の14倍の10,000万トン(1億トン)にまで増加する可能性があることを警告しています。 チョコレート不足は常態化していて、今後50年間、不足は解消されないのかもしれないとワシントン・ポストは報じています。
それは、何を意味するのでしょう?
チョコレート菓子は、高価になると売れません。 植物性脂肪や化学調味料のような、他の成分とカカオを組み合わせることにより、今まで通りチョコレート供給を続けたり、 あるいは、サイズを小さくして提供し始めたメーカーもあります。
では、なぜ世界のチョコレート供給は、需要に追いつくことができないのでしょうか?
それは、干ばつや病気以外に、カカオの木の特性が関係しています。
カカオの木が実を付けるまでには、非常に長い時間がかかります。 それは単に生産に時間がかかるだけでなく、遺伝的に優良種を探し出すのが、非常に困難なのです。
トウモロコシが、1年に、3つの新しい品種を生み出すことができるのに対して、 カカオはどんなに早く実をつけても2年以上はかかるため、永続的に新品種が栽培できるようになるには、10年以上の歳月を要するからです。
チョコレート不足に対応するため、現在、カカオ農民は「CCN51」と呼ばれる新しい品種に投資しています。 従来のカカオよりも約7倍のカカオ豆を生産することができ、病気にも耐性があります。 しかし、科学者たちには、まだやるべき多くの仕事が残っています。 渋みと酸性が強く、非常に苦い味だからです。
また、同じように中央アメリカ農業研究組織によって開発された、R-1、R-4、R-6などの同系品種もあります。 2009年に、R-4とR-6のカカオ豆は、パリのサロン・デュ・ショコラで国際ココア賞に入賞しました。 R-4は、仄かなナッツとウッディな香り。R-6は、甘く、フローラル、且つフルーティーな香りです。
果たして、カカオ不足は解決するのでしょうか?
人類の英知に期待しましょう。
参照
The Race to Save the World's Chocolate - The Atlantic
The world’s biggest chocolate-maker says we’re running out of chocolate - The Washington Post